土佐錦魚に多い病気
- 転覆病
- 白雲病
- エラ病
- デルモシスチジウム症
- エロモナス症
- カラムナリス症
■当歳時、特に注意すべき3つの病気について
青子など今年の当歳魚は特にエラ病と水の悪化からなりやすい充血に注意します。
エラ病は初期段階ではエラが早くなったり、片エラのみ動かしたり、エラが開いてきたりまた、青子では特に艶がなく目が窪み、褪色前の魚は変に弱った魚にみられるような色が黒くなってきたりしたら注意が必要です。感染した魚はだんだん隅に集まるようになり動きが健康な魚に比べてにぶくなります。初期段階での観察で早めに治療することが大切です。ギロダクチルス・ダクチロギルスなど特に虫によるエラは重症化が早く、注意すべきです。バタバタと死んでしまうこともあるのでヘルペスと間違える方もいます。エラを開けると白くなっていたり、欠落したりしている場合もあります。周囲への伝染もありますので早めに治療を行いましょう。
一昔前は塩のみで治したり、トリクロルホン、ニトロフラゾンやオキソリン酸などを併用したりしていましたが、現在、薬剤耐性の原虫や吸虫によるエラ病が猛威をふるうことも多く、錦鯉でも使用され効果が確認されているプラジカンテル（ハダクリーンやプラジプロ）を使用して治療をすると効果のあることがあります。
体表の充血は特に水の傷みから魚の体の表面に赤く血が浮かび上がったようになり、放置していると突然死したり、尾が赤い場合は尾がただれてちぎれたりする場合があります。
水中の毒素や寄生虫が原因で、魚体の粘液層が欠落したことによるもので、鰭や肌が赤くなくても欠落が起きていることがあり、壁や床に体を擦る場合もあります。この時の処置としては、まずは全換水して、
0.5%ぐらいの塩水にして様子をみます。普通は
2日ぐらいで改善しますが重症化すると更に治療が必要になり抗菌薬の使用も考えます。また、寄生虫の可能性がある場合は先ほど述べた抗寄生虫薬の投与も考えます。
尾ぐされ病はグラム陰性菌であるフレキシバクター・カラムナリスの感染による細菌感染症であり、フラン剤（ニトロフラゾン、ニフルスチレン酸ナトリウム）や合成抗菌剤（オキソリン酸）を使用して治療します。この細菌は塩分に弱いので
0.5%の塩水浴を併用すると効果的です。
