カラムナリス病
カラムナリス病(俗名―細菌性鰓病、鰓ぐされ病、鰭ぐされ病、尾ぐされ病、コットンマウス、綿かぶり病)
- 原因菌はFlexibacter columnaris(グラム陰性菌)でトサキンを含め金魚に頻発する細菌性疾患
- 鰭、皮膚、口などに感染して感染した部位にのみ患部を形成するのが特徴
■カラムナリス病の症状
- 初期症状→各鰭(背鰭、尾鰭など)、口、鰓弁先端や体表に黄白色のカラムナリス菌の集落である小斑点や綿状病変が出現
- 進行すると患部は拡大してゆき、カラムナリス菌の産生する蛋白分解酵素により組織の融解と壊死が生じる
- 特に鰓が冒されたときには外見的になんら症状を示さないで突然死亡
■カラムナリス病の診断
- 病変部は水カビの繁殖したようにも見えるが、顕微鏡で見ると菌糸が見られないことからカラムナリス菌と判断
- 患部の粘液物を良く見ると屈曲性で滑走運動をする長桿菌が多数観察され、短時間のうちに集合して円柱状(干草の山状あるいはマッシュルーム状)になるようなら、これらの菌によるものと判断
- 日和見感染と考えられ、誘発因子には過密飼育、不適切な換水、輸送によるストレス、寄生虫感染や 他の細菌感染が挙げられる
■カラムナリス病の治療
- 早期発見早期治療に尽きる患部には他の原生動物、単性類などの寄生をともなうこともあるので注意
- 特に鰭に感染が生じると観賞価値が無くなるので注意
- 治療には抗生物質や抗菌剤(エンロフロキサシン、オキソリン製剤―パラザンD、サルファ剤-グリーンFゴールドやハイトロピカルなど)による薬浴が有効
- カラムナリス菌は塩に弱いので塩水浴(5~0.8%)も併用すると良い
- 最近のカラムナリス菌は抗生物質や抗菌剤に耐性を示すものも多いので効果がない場合には薬剤を見直さないといけない場合がある