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エロモナス症2020.06.01

エロモナス症



  • 運動性エロモナス症(別名-松かさ病、赤斑病、眼球突出症)

  • 非運動性エロモナス症(別名-フルンケル症、穴あき病)


〈代表的エロモナス菌〉
運動性を有するエロモナス ハイドロフィラ(Aeromonas hydrohila)
非運動性のエロモナス サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)

〈運動性エロモナス症〉

  • 松かさ病、赤斑病、眼球突出症(ポップアイ)などを引き起こす

  • 水質の悪化(水換え不足、過密飼育冬越し後)

  • 急激な温度変化

  • 栄養不良 輸送のストレスなど


免疫の不全状態 ⇒ 常在菌であるこれらの菌が病気を引き起こす

■運動性エロモナス症の症状

  • 点状出血(赤班病)

  • 出血性病変(赤班病)

  • 眼球突出(ポップアイ)

  • 鰓弁の充血(赤班病)

  • 皮膚、鰭、鱗の剥離脱落


 

〈松かさ病〉

  • 鱗が逆立ち、松ぼっくりのような外観を示す病気

  • 鱗嚢に水様物が貯留したり、腹水が貯留すること で引き起こされる

  • この症状はエロモナス菌が感染しなくても原因不明により 起こることがある すべてが運動性エロモナス症によるものでは無い

  • 私見ですが慢性経過した難治性の腹水貯留を伴った琉金の剖検による全身臓器の組織学的検査において腎臓、副腎,後腎、甲状腺、生殖腺、浮袋、脾臓、すい臓、胃腸管などに軽度の炎症所見はあったが組織的に大きな異常がなく、鰓組織の約8割に鰓葉組織の肥厚、出血、重度の炎症細胞の浸潤と2割に組織の線維化が見られたことから鰓組織の障害により浸透圧調整異常が発生して浮腫や腹水を起こすのではないかと思っている




■非運動性エロモナス症の症状

穴あき病あるいはフルンケル症と呼ぶ 鯉に頻発、金魚にも見られる



  • 体のどこかに浅いあるいは深い潰瘍性皮膚病変

  • 眼球突出

  • 斑状出血

  • 腹部の拡大


エロモナスの全身性の感染 → 出血性敗血症(胃腸、腎臓、筋肉および脾臓に炎症や壊死が生じて死亡)

■エロモナス症の治療

  • 水質の悪化から起こることが多いので、まず換水

  • 食欲があれば数日間経口的に抗菌剤(オキソリン酸製剤:パラザンエースなど)

  • 観賞魚用パラザンD、グリーンFゴールドなどによる薬浴

  • 感染初期の魚は水質改善と抗菌剤の使用により良く反応

  • 治療に反応しない場合→抗生物質(エンロフロキサシン、トリメトプリムースルファメトキサゾール、アミカシン)での薬浴や注射投与

  • 穴あき病では最近になって耐性菌が出現して薬剤に反応しないものも多い


エンロフロキサシンによる治療前と治癒するまでの変化

治療前



治療経過



治癒

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